漬物といえば普通はそのまま食べるだけです。変化をつけるといえば温度くらいでしょうか?夏などには冷たく冷やした漬物は食欲をそそりますね。
子供の頃、冬に母が漬物をお吸い物にして食べていました。これにはびっくりしました。漬物は普通そのまま食べるだろう!とツッコミを入れても、「これがなかなか美味しいのよ。」という回答で信じられませんでした。
信じられないと言うか、理解の範疇を超えていたので、その食べ方を真似するきいもなれず、変だなと思っていました。
その時は子供だったので、味噌汁がなくてもぜんぜん平気でした。子供は味噌汁がなくても平気なので、父が外出しているときには、そうやって漬物をお吸い物にして食べていました。
今考えると単に手を抜いていたのかもしれません。しかし美味しそうに食べていたので、父が外出している時は、漬物のお吸い物を食べることのできる絶好のチャンスだったのかもしれません。
父がそれを食べているのを見たことがないので、父は好きではないのでしょう。でも可能性として、父はその食べかたを知らないということも考えられます。もしかすると、母の自分だけの楽しみだったのかもしれません。
そのことに付いては、母には聞いたことがありません。実家にたまに連絡をしますが、そのことを話題にすることはありませんでした。機会があったら聞いてみることにします。
実家を離れてかなりの年月がたちますが、ふとこの漬物をお吸い物いして食べて見ようと言う気持ちになりました。どんな味なのか想像が付きませんでしたが、やってみて食べたれないともったいないので、少量で試してみることにしました。
使う漬物は「にしん漬け」です。母がお吸い物にしている漬物は、にしん漬けだけでした。他の漬物では見たことがないので、母としてはこの食べ方が1番おいしいと思っているに違いありません。美味しそうに食べていた母の顔が目に浮かんできました。
恐る恐るではありますが、送ってもらってニシン漬けにお湯をかけて食べてみることにしました。たくさん入れてもし食べるのが辛かったらとおもい、少量での挑戦です。挑戦とはちょっと言い過ぎかもしれません。
なんせ、そもそもニシン漬けは大好きなので、そんなに心配はしていなかったのですが、冷えたものしか食べたことがないので、心配ではありました。
いよいよ、実食です。まず、おつゆを飲んでみると、ニシン漬けの酸味が際立っていて、なかなかいい感じです。次にキャベツを食べてみることに。温かいニシン漬けは初めてでしたが、これはこれで美味しかったです。
というよりも、母が好んで食べていたのがわかる気がしました。あったかいものを食べたいときなんか良いが感じました。リピートありです。新しい味を発見して得した気分です。もっと早く真似をしていればよかった。