酒粕には栄養がたくさん詰まっています。粕(かす)と言うと何にも役に立たないものというイメージがありますが、決してそんなことはありません。
酒粕を知らない方はいないと思いますが、日本酒を作る過程で出る副産物です。入っているものは米と米麹を酵母、そして日本酒の種類にもよりますが醸造アルコールくらいです。
醸造アルコールは最後に添加されるのでしょうけど、米(蒸し米)米麹、酵母で発酵して、日本酒になっていきます。この発酵をしている段階で様々な栄養素が出てきます。
では、その栄養はどのような効能があるのでしょうか?栄養ごとに見ていくことにします。
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タンパク質は三大栄養素のうちの一つ。たんぱく質と言うと「プロテイン」を思い浮かべる方も多いと思います。筋肉のためにタンパク質をということですね。確かにたんぱく質はアミノ酸で構成されていて、体を作る重要な成分となります。
たんぱく質は筋肉だけではなく、皮膚、臓器、爪など体のあらゆる部分を作る成分となります。
また、たんぱく質は酵素の原料にもなります。食べ物の消化吸収、代謝、排泄など生きていく上で欠かせない物質です。
人間の血液が赤いのはヘモグロビンの色です。そのヘモグロビンの原料にもなります。ヘモグロビンが不足すると、貧血状態となり、体の疲れを感じるようになります。
炭水化物も三大栄養素の一つ。ごはん、パン、麺類などの多く含まれています。炭水化物はエネルギー源です。酒粕は元々、米と、米麹で作ります。米麹も米から作っているので、炭水化物を含んでいるのはうなずけます。
最近炭水化物を抜いてダイエットをするという方法がありますが、痩せて筋肉質になることだけが本当に体にいいことなのかという疑問を持っています。
酒粕100gあたり5gの食物繊維が含まれています。酒粕には不溶性食物繊維が含まれています。不溶性食物繊維は便のかさをふやして、腸の蠕動運動を促進します。
また、注目成分であるレジスタントプロテインという物質も含まれており、この物質は小腸で油を吸収する性質があり、便をやわらかくして便通を改善すると言われています。
ビタミンB1は炭水化物をエネルギーに変える効果があります。甘酒が飲む点滴と言われているのは、このあたりからくるものだと思われます。酒粕には炭水化物もふくまれていますから、昔から甘酒を飲んで夏を乗り切っていたのですね。
甘酒は冬のものと思われがちですが、本来は夏のものです。
ビタミンB2には補酵素が働いて、3大栄養素(炭水化物、糖質、タンパク質)をエネルギーに変える効果があります。
特に、脂肪を分解する効果があり、ダイエットをするには重要な栄養素です。
動脈硬化や心筋梗塞の予防にも効果を発揮します。また、皮膚や髪の毛などの成長にも深く関わっているビタミンです。
ナイアシンは補酵素として、三大栄養素の代謝を促す効果があります。また、二日酔いの原因となるアセトアルデヒドの分解もします。
皮膚や粘膜を正常に保つ効果もあります。
ビタミンB6はタンパク質からエネルギーを作り出したり、筋肉や血液などを作る時に働いています。健康維持には欠かせないビタミンです。
脂肪肝を防ぐ働きをするので、毎日晩酌をする方には注目のビタミンです。
ビタミンB6が不足してくると、皮膚炎や貧血、うつ病などになるといわれています。
「ようさん」と読みます。ビタミンB群の一種です。葉酸と聞くと妊婦さんに良いとよく効きます。胎児の脳の発達に大切な役割を果たしていると言われています。特に葉酸が不足すると赤ちゃんの奇形や先天性障害の危険があります。
パントテン酸は水溶性ビタミンの一つで、糖質、脂質、タンパク質の代謝とエネルギーを作る酵素の手助けをしています。不足すると、皮膚炎、体重減少、脱毛、頭痛、副腎障害などを引き起こすのでとても重要な成分です。
今まで見てきたように酒粕には体に良いと言われている栄養素がふんだんに入っています。
このような効果が期待できます。
調べてみて驚きました。このようにたくさんの効果があるものとは本当にびっくりしました。時期によって酒粕がスーパーで売り切れが続く時期があります。2月3月は本当に在庫が少なくなります。味噌作りなどで購入する方が多いからでしょうね。
どのくらい食べたら良いと言うようなことは、そんなに気にすることはないと思います。料理などで積極的に取り入れて行くと良いです。私はおやつとして食べています。酒粕の賞味期限が切れて茶色に変色したものは使えるか